事業再生コンサルティングの事業パートナー

事業再生請負人の松本光輝自身が再生を経験し、25億の負債から再起。困難にあえぐ経営者の方を二人三脚で倒産から救います。経営改善、経営改革、リスケ、事業再生コンサルティング、融資・金融機関対策なら

金融監督指針 | 中小企業金融円滑化法

中小企業金融円滑化法の近況と具体例(2/3)

この記事は「実務経営ニュース 2011年10月号」に掲載されたものです。

「中小企業者等に対する金融の円滑化を図るための臨時措置に関する法律に基づく金融監督に関する指針」(以下、指針)が平成23年4月1日付で金融庁より発表された。

本指針は、1年間の延長になった金融円滑化法の運用方針について、金融庁より金融機関へ指導をする意味合いのもので、金融庁が金融機関に行う検査にも影響を大きく与える、重要なものとなっている。その概要は以下の通りである。


1.中小企業が抱える経営課題について、金融機関がより積極的にコンサルティング機能を果たし、支援していくことを求めている。条件変更(リスケ)であれ、新規融資 であれ、「審査(稟議)をするとき」だけでなく、継続的にモニタリングをし、借り手の経営が改善へ向かえるようにという意図が込められている。

2.各金融機関の規模、特性その他の個別の状況等を十分に踏まえ、機械的・画一的な取り扱いにならないよう配慮することが求められている。

3.借り手の経営課題の抽出として、以下の点を総合的に判断する、としている。

・債務者の経営資源、経営改善・事業再生等に向けた意欲、経営課題を克服する能力

・外部環境の見通し

・債務者の関係者(取引先、他の金融機関、外部専門家、外部機関等)の協力姿勢

・金融機関の取引地位(総借入残高に占める自らのシェア)や取引状況(設備資金/運転資金の別、取引期間の長短等)

・金融機関の財務の健全性確保の観点


4.ソリューションの提案として、下記の例を挙げている。

・経営改善が必要な債務者(自助努力により経営改善が見込まれる債務者など)には、ビジネスマッチングや販路獲得支援、貸付条件の変更等を行う。

・事業再生や業種転換が必要な債務者(抜本的な事業再生や業種転換により経営の改善が見込まれる債務者など)には、貸付の条件変更の他、金融機関の取引地位や取引状況等に応じ、DES・DDSやDIPファイナンスの活用、債権放棄も検討する。

・事業の持続可能性が見込まれない債務者(事業の存続がいたずらに長引くことでかえって、経営者の生活再建や当該債務者の取引先の事業等に悪影響が見込まれる債務者など)には、左記のような対応をする。

(1)貸付の条件の変更等の申し込みに対しては、機械的にこれに応ずるのではなく、事業継続に向けた経営者の意欲、経営者の生活再建、当該債務者の取引先等への影響、金融機関の取引地位や取引状況、財務の健全性確保の観点等を総合的に勘案し、慎重かつ十分な検討を行う。

(2)そのうえで、債務整理等を前提とした債務者の再起に向けた適切な助言や、債務者が自主廃業を選択する場合の取引先対応等を含めた円滑な処理等への協力を含め、債務者や関係者にとって誠に望ましい解決策を適切に実施。

(3)その際、債務者の納得性を高めるために十分な説明に努める。

(4)慎重かつ十分な検討と債務者の納得性を高めるための十分な説明を行ったうえで、税理士、弁護士、サービサ一等との連携により、債務者の債務整理を前提とした再起に向けた方策を検討する。

これは金融行政のはっきりとした意思表示であり、「今までのように、申請があれば誰にでも融資をするつもりはない」「回収可能性が不透明な融資を放置するつもりはなく、積極的に処理を進める」「延命措置はしませんよ」という、明確な意思表示であると思われる。

これまで銀行が取引先の企業を倒産させる、「金融倒産」は原則できなかった。それが、今回かなり踏み込まれた形で、容認されているように読み取れる。何故なら、「自主廃業」「債務整理を前捉」という文言が明記されているからである。これが金融庁の本心なのであろう。 今までは「条件変更をするか、しないで様子見するか」という選択肢であったものが、「条件変更をするか、担保処分をしてでも回収するか」に変化し、その分岐点は、「事業の持続可能性が見込めるか否か」であり、これがすべての出発点となるように思われる。

金融マニュアルは、以上のように変更されたが、金融機関は、まだ従前の対応を変えず、リスケ(条件変更)に前向きのようではあるが・・・。